スタンドアローン型シースルーモバイルビューアーを用いたスキーヤーに対する映像の同時フィードバックの方法の検討

神庭弘行、廣岡和真、三浦智、

梅沢侑実、藤本浩志、藤江正克、

○彼末一之

 冬季パラリンピックにブラインドクロスカントリースキーという種目がある。この競技では、視覚に障害を持つ選手の前で伴走者が滑走し、後ろを振り向きながら選手にコースやカーブ、上りや下りを指示する。伴走者は滑走中に後ろを振り向くため、負担が生じる。一方、スタンドアローン型シースルーモバイルビューアー(BT‐200、EPSON社製)という特殊なメガネを用いて動作中に撮影した映像を動作中にメガネに投影することが出来る。この装置を活用することで、ブラインドクロスカントリースキーで伴走者が後方を振り返ることなく選手に指示を出すことが可能であると考えられる。そこで本研究では、スキー滑走中に滑走者の後方の映像を撮影し、滑走中に映像を同時フィードバックする方法を検討する。【方法】クロスカントリースキーを経験したことがあり、視覚障害を持たない早稲田大学スキー部員を対象にした。被験者は、動画フィーバック用のメガネ(BT‐200)と陸上用スキーを着用し、アスファルト上を滑走した。また、自転車の荷台にビデオカメラを設置し、被験者の前方から動画を撮影した。その動画を無線で被験者のメガネに投影し、滑走しながら後方の状況の確認を行った。【結果】走行時、後方を振り返ることなく後ろにいる選手の位置を把握することが出来た。また、動画を撮影してからメガネに投影するまで0.13秒かかるが、フィードバックが遅れることによる影響は無かった。課題として以下のことが得られた。①運動中にメガネがずれてしまう。②複数のデバイスで管理し、第三者が装置を管理できると良い。③伴走者のヘルメットや背中に取り付けられるように、小型化する必要がある。【結論】装置の改善点はあるが、スタンドアローン型シースルーモバイルビューアーを用いたフィードバックは、ブラインドクロスカントリースキーに有用だと示唆された。